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リアル店舗は3次元の雑誌メディアのように

昨今のテクノロジーの進化により買物はますます便利になっています。

 

Amazon Dash Amazon Alexaに象徴されるようにモノを買うというハードルがよりなめらかになってきていて、わずらわしい買物は減少の一途をたどっていっています。

 

一方、既存のリアル店舗は時代に即した在り方を模索せざるを得ない時代に突入しています。ですが、いままでやってきたことをひっくり返すような大改革を起こすことは難しく、結局テクノロジーを使った施策だけが決まり、リアル店舗はプロモーション手法が少し変わっただけで相変わらず今まで通りの店舗の在り方を継続しているという会社が多いのではないかと思います。

 

今後、買物の在り方は二極化していくと考えています。コンビニエンス(利便性)の進化とエンタメ化、このふたつです。

 

まずは、コンビニエンスの進化です。コンビニエンスの進化は最先端のテクノロジーを採用した課金システムが必須だと言えます。中途半端な利便性があってもおそらく今後ますます需要はなくなっていくでしょう。

 

もう一方が、買物のエンタメ化です。買物、すなわち「お金を払うという行為」のエンタメ化です。商品を手に入れるために等価交換としてお金を払うというのではなく、貨幣価値以上の価値を感じて、喜んでお金を払うという在り方です。

 

エンタメ化については、おそらくWEB上でもこの動きはますます進化してくるでしょう。現在だとSHOWROOMの投げ銭システムやCAMPFIREのクラウドファンディングはまさにそれを象徴したプラットフォームです。

 

同時にリアル店舗においてもエンタメ化が進化していくはずです。

 

「店舗は3次元の雑誌のように」

「売場を作る人間は編集者として振る舞え」

 

これは私が10年、20年前にまだ店頭に立っていた頃に一緒に働いていたメンバーに伝えていた言葉です。

 

店舗の仕事は、ただ商品を並べるだけではなく、商品(ネタ)を集め、並び替えて、不要なものは削り、メッセージをより伝わるように設計すること。

 

まさに、雑誌の編集者が行うような業務フローを行う必要があると伝えてきました。

 

これがしっかりと実行されたとき、店舗とお客様にコミュニケーションが生まれます。

この関係性が醸成されていくと、「お金を払うという行為」がエンタメ化していきます。まさに喜んでお金を払うという状態です。

 

ここで買いたい!この人から買いたい!

 

これは既存のリアル店舗が商品提供することで、お客様にお金を払ってきてもらった既存の在り方とは少し違った価値を生んでいます。

 

「店舗は3次元の雑誌のように」

 

お客様にメッセージを伝え、コミュニケーションを継続的に取っていくこと、今後、リアル店舗が目指すべき方向性はここにあるのではないか?と私はそんな買物の未来を想像しています。